リノベーションコース

丸山 晴之

建築家。(株)ヒャッカ代表。仁愛女子短期大学、福井工業大学、福井大学非常勤講師。

考え続けることが新しい可能性をつくる。

今回はチームメンバーとは少し距離を置いて、あくまでファシリテートするつもりで見守った。みんなそれぞれの意見を尊重しながら話し合えるバランスのいいチームだったと思う。公共空間の活用は難しいテーマだが単体で考えるのではなく、もう少し視野を広くしてみると良い。壁にぶつかった時、一般的な価値観だけで判断するのではなく、主体性を持ちながらどうすれば解決できるか、答えをつくり続ければ新しい可能性が開くはずだ。

清水 俊貴

建築家。東京の設計事務所を経て、2018年より福井工業大学工学部建築土木工学科准教授。

目に見えないものに触れる機会を。

25年ぶりに東京から福井に戻り、DRFに講師として参加したことで、学生の時にはわからなかった福井のまちが見えてきた。リノベーションは建物や経済だけでなく、文化のような目に見えない価値に気づくことも大事で、それをアイデアによって可視化する必要がある。参加者の中にはそのアイデア自体を生み出せず苦戦する姿も見られたが、いろいろな価値観に触れ、セレクトする訓練を持ってまた事業化に挑戦してほしい。

景山 直恵

アーチザン&パートナーズ代表。デザインコンサルタント、福井工業大学講師。現役女子大学院生。

参加者も運営側も本気で課題に向き合って。

福井のまちづくりのことに対して、県外からも多くの人が集まり、スキルもモチベーションも高い参加者と時間を共有できたことはこれからの福井のまちにとっても希望だと思う。ただ、まだ本気度の高い覚悟を持った参加者は少ないように感じた。DRFの仕組みや発信の方法にもまだまだ改善の余地があるし、継続してこの講座を進めていくなら、運営側も本気で何を変える必要があるか?を話し合うべきかな。

メディアコース

安田 洋平

株式会社アンテナ代表取締役。「東京R不動産」の立ち上げに編集者として参加。地域の人や仕事をつなげ、自由な移住や事業所の地方移転を促すサイト「real local」制作統括。書籍『東京R不動産』『ローカルエコノミーのつくり方』など編集。

内にも外にも発信! 共感は仲間を増やし、強くする。

DRFには初めての参加で、しかも「メディアコース」は新設だったので、カリキュラムから発信の仕方まですべて試行錯誤しながらの現場だった。だけど、参加者も講師も運営スタッフもみんなが現在進行形でまちを変えていこうとするエネルギーの塊に触れて、改めてこのムーブメントを可視化したい!と強く思えたね。このDRFの中にいないと分からない血と汗と涙の2ヶ月のことを、外で見ている人にはもちろん、参加者のみんなにもしっかり伝えたい。それができるのがメディアの役割だし、一層共感してもらうことで仲間を増やせるはず。リノベーションチームとメディアチームがスクラムを組み、本当の意味での両輪として伴走できれば、その姿を見て誰かが一歩を踏み出すきっかけになると思う。

伝え続けることが、いつか誰かの背中をそっと押す。

もし、できるならば、次のDRFではメディアコースで新聞を作りたいね。一体どんなことが起こっているのかをまとめて、それを福井駅前の広場とかで「号外です!」って言いながら道ゆく人に渡す。DRFのことを全く知らなかった人が立ち止まり、新聞を読み、この動きを知っていく。さらに、興味を持った人がWebサイトなどでアーカイブを追っていくことができれば、今までの熱気を少しでも伝えられると思う。DRFの情報は、開催していない時間にもきちんと発信していることが重要。その発信自体が、講座が終わった後も参加者のモチベーションを維持して背中を押す役目も担うだろう。きっとこれから事業を進める中で、メディアのもつ可能性と必要性を強く感じていくはずだ。